プラスチック用接着剤

[2020/07/08] 更新

新着情報 - 超柔軟・高透明性・プラスチック用 UV639
透明プラスチックの接着、特にアクリル、ポリカーボネート、そして接着が難しいPETG(グリコール変成PET)の接着用として開発。ガラスや金属との接着にも使えます。風防の接合に理想的です。

プラスチック用接着剤の概要


Back to Top

プラスチック材料は非常に多岐にわたるので、一括りにして最適な   
接着剤を1つだけ選ぶのは得策ではありません。
 ⇒ ポリプロピレン(PP)/ ポリエチレン(PE)
 ⇒ ABS                     ⇒ アセタール(POM)
 ⇒ アクリル                   ⇒ PET
 ⇒ PTFE                   ⇒ フェノール樹脂
 ⇒ ポリカーボネート           ⇒ ポリスチレン
 ⇒ ポリウレタン               ⇒ PVC
 ⇒ ナイロン(ポリアミド)

ポリオレフィン類 - ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)の接着

ポリオレフィン類である ポリプロピレン(PP) や ポリエチレン(PE)は熱可塑性プラスチックの1つで、様々な用途に使えて抵コストなのが特徴です。但し、表面エネルギーが低いので接着が難しい材料です。

構造用アクリル接着剤 - TA4605 / TA4610 / TA4611 / TA4620
これらは、表面エネルギーの低いポリオレフィン類(ポリプロピレンやポリエチレン)を接着するために開発されたものです。プライマも表面処理も不要です。

グレード 主な用途
特徴
粘度
[mPa・s (cP)]
固定時間 剪断強さ
[N/mm2]
TA4605
Datasheet
表面処理をしないポリプロピレンやポリエチレン等の接着
含有微粒子により隙間を埋める、2液1:1混合
125,000
混合後
5~10分 5~8
ポリプロピレン
TA4610
データシート
表面処理をしないポリプロピレンやポリエチレン等の接着
含有微粒子により隙間を埋める、2液1:1混合
210,000
混合後
12~15分 5~8
ポリプロピレン
TA4611
データシート
表面処理をしないポリプロピレンやポリエチレン等の接着
含有微粒子により隙間を埋める、2液1:1混合
18,500
混合後
10~16分 4~6
ポリプロピレン
TA4620
Datasheet
 
TA4610の硬化速度が遅いバージョン
2液1:1混合
125,000
混合後
20~25分 3~5
ポリプロピレン
シアノアクリレート瞬間接着剤にPOPプライマを併用
POPプライマを併用することで、シアノアクリレート瞬間接着剤で接着できます。シアノアクリレート接着剤は非極性溶剤への耐性があります。一方で、極性溶剤に対する耐性は、非極性溶剤より劣ります。エチル・シアノアクリレートは、脆いため耐衝撃性に劣ります。耐衝撃性が必要な場合は、ブチル・シアノアクリレートをお勧めしますが、詳しくは お問い合せ ください。
シアノアクリレート瞬間接着剤
POPプライマについて
グレード 説 明
POPプライマ
Datasheet
難接着材料 - ポリプロピレン、ポリエチレン、PTFE(フッ素系プラスチック)、シリコーンゴム、天然ゴム、ブチルゴムなど -
を強く接着するためのプライマ
2液性エポキシ接着剤 - ET515
コロナ放電処理、プラスマ処理などの表面処理を行った後 ET515を使う

グレード 主な用途
特徴
混合後の粘度
[mPa・s (cP)]
最大隙間
[mm
]
使用可能
時間
仮押さえ
時間
剪断強さ
[N/mm2]
剥れ強さ
[n/25mm]
温度範囲 [℃]
ET515
データシート
透明、柔軟
耐衝撃性、抗剥がれ
薄い
黄色
12,000~22,000 2.0 10~20分 20~30分 8~12 70~90 -55 ~ +100
UV硬化接着剤
UV硬化接着剤は、塗布した接着剤全体にUV光を照射する必要があります。つまり接合する2つの部材の一方がUV光を透過する必要があります。接着前に、コロナ放電処理、プラズマ処理などの表面処理が必要です。
UV硬化接着剤

Back to Top

ABSの接着

ABS = アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン は、一般的な熱可塑性プラスチックで、比較的容易に接着できる材料です。ABSに向いた接着剤の選択肢は広く、よく使われる代表的接着剤として、シアノアクリレート接着剤2液性エポキシ接着剤構造用アクリル接着剤構造用ポリウレタン接着剤が挙げられます。接着部位にUV光が到達可能な場合は、接着力が大きく、接着速度が速いUV硬化接着剤もよく使われます。

お問い合わせ
具体的なご用途の情報をお聞かせ頂ければ、最適接着剤の絞り込みのお手伝いができますので、お問い合わせください。

耐溶剤性が求められる場合は、以下が参考になるかも知れません:

各種接着剤の耐溶剤性
接着剤の種類 極性溶剤 非極性溶剤
嫌気性接着剤 とても良好 とても良好
 シアノアクリレート接着剤 不向き 良好
1液性エポキシ接着剤 とても良好 極めて良好
2液性エポキシ接着剤 とても良好 とても良好
高柔軟性改良エポキシ接着剤 良好 とても良好
高柔軟性MSポリマー接着剤 良好 使用可能
構造用ポリウレタン接着剤 良好 良好
構造用アクリル接着剤 - 1液タイプ 良好 とても良好
構造用アクリル接着剤 - 2液タイプ 良好 とても良好
構造用アクリル接着剤 - 2液 MMA タイプ 良好 とても良好
UV硬化接着剤 良好 とても良好
各種接着剤の耐熱性
接着剤の種類 標準品 耐熱対策品
嫌気性接着剤 150℃ 230℃
 シアノアクリレート接着剤 85℃ 250℃
1液性エポキシ接着剤 180℃ 300℃
2液性エポキシ接着剤 80℃ 300℃
高柔軟性改良エポキシ接着剤 80℃ ---
高柔軟性MSポリマー接着剤 80℃ ---
構造用ポリウレタン接着剤 120℃ ---
構造用アクリル接着剤 - 1液タイプ 150℃ 200℃
構造用アクリル接着剤 - 2液タイプ 120℃ ---
構造用アクリル接着剤 - 2液 MMA タイプ 150℃ ---
UV硬化接着剤 120℃ 150℃
ABSの表面処理について
● 表面を洗浄、乾燥させ、汚れを取り除くことで、接着力が向上します。ABSはそのままでも接着できることが多いです。
● 汚れを拭き取りたい場合は、接着前に溶剤で拭き取ってください。拭き取りには、イソプロピルアルコール(IPA)か Permabond Cleaner A を推奨します。アセトンは拭き取りには良い溶剤ですが、プラスチック表面を攻撃して変性させるので、あまり勧められません。
ABSの特性
● 表面エネルギー: 42 mJ/m2
● 最大使用温度: 89℃
● 軟化温度: 100℃
● 通常は不透明ですが、透明なものもあります
● 透明ABSはUV安定化されている(UVを吸収すて透過しづらくなっている)ことが多いので、UV硬化接着剤の使用を検討する場合は、UVの透過度を調べることをお勧めします。

Back to Top

アセタール (POM)

アセタール樹脂 = POM (ポリオキシメチレン) は、一般的な熱可塑性プラスチックで、様々な機器に採用されているプラスチック材料です。一般的に、アセタールは表面の滑り潤滑性があり、接着が容易ではありません。低コストで構造物としての良い特性を備えているので、アセタールは金属の代わりに使われることがあります。アセタール (POM) は、高強度で耐衝撃性があり、吸水性が低く、有機溶剤を含む耐薬品性が高く、絶縁耐性が高く、難燃性の材料です。

シアノアクリレート接着剤
アセタールに最適な接着剤は、POPプライマを併用したシアノアクリレート接着剤です。十分な接着強度が得られます。
アセタールは耐熱性が高いので、熱硬化型の1液性エポキシ接着剤も最適な接着剤の選択肢となります。特に ES5748 は硬化温度が低く、硬化が速いので検討対象となります。

他の選択肢として、構造用ポリウレタン接着剤があります。接着力の点では、上記2種類には劣りますが、加熱することなく接着可能で、ポッティングにも使えるので、そこそこの接着力でよければ1液性エポキシよりは施工性が良いと言えます。

お問い合わせ
具体的なご用途の情報をお聞かせ頂ければ、最適接着剤の絞り込みのお手伝いができますので、お問い合わせください。

耐溶剤性が求められる場合は、以下が参考になるかも知れません:

各種接着剤の耐溶剤性
接着剤の種類 極性溶剤 非極性溶剤
 シアノアクリレート接着剤 不向き 良好
1液性エポキシ接着剤 とても良好 極めて良好
構造用ポリウレタン接着剤 良好 良好
各種接着剤の耐熱性
接着剤の種類 標準品 耐熱対策品
 シアノアクリレート接着剤 85℃ 250℃
1液性エポキシ接着剤 180℃ 300℃
構造用ポリウレタン接着剤 120℃ ---
アセタール(POM)の表面処理について
● グリットブラスト、ワイヤーウール、不織布研磨剤やサンドペーパーなどで表面を荒らします。
● イソプロピルアルコール(IPA)か Permabond Cleaner A で表面を拭き取ります。
● POPプライマ で表面処理をした後、シアノアクリレート接着剤を塗布して接着します。
アセタール(POM)の特性
● 表面エネルギー: 36 mJ/m2
● 最大使用温度: 100℃
● 軟化温度: 160℃

Back to Top

アクリルの接着

アクリル = PMMA (ポリメチル・メタクリレート) は、接着しやすい表面性状であるため、様々な種類の工業用接着剤が適用でき、その接着強度は接着する材料が破壊されるまで剥がれないレベルの高い強度が得られることが多いです。多くの用途では、アクリル材の透明性を利用することが多く、その場合の接着剤には、高い透明性と黄化が起きない(着色しない)特性が求められます。

UV硬化接着剤
透明アクリルの接着には、UV硬化接着剤が最も適しており、特に UV632UV639UV645 が推奨できます。多くのアクリル材はUV安定性を高めるためにUV光が吸収されやすくなっており、UV光の透過が幾分損なわれます。従って一度接着試験を行うようにしてください。上記の3つの製品では、多くの場合、接着強度は部材の破壊よりも強い程度の十分な接着力が得られます。

シアノアクリレート接着剤
シアノアクリレート接着剤は、どれを使ってもアクリル材の接着が可能で、数秒で硬化します。ただし、接着に必要な分量だけを控えめに塗布して頂く必要があります。余分のシアノアクリレートを拭き取ろうとするとアクリル材が曇ってしまいます。シアノアウリレートは、高速な製造ラインでのご利用に向いています。最大隙間は 0.5 mm と小さい点にご留意ください。アルコキシ-エチル・シアノアクリレートを選べば、通常のエチル・シアノアクリレートよりも、白い粉ふきを抑制できます。

2液性エポキシ接着剤

エポキシ接着剤 - 1液性エポキシ接着剤は、硬化のために加熱が必要で、加熱工程でアクリル材にダメージを与えるので、向いていません。しかし、2液性エポキシ接着剤は使えます。特に、透明性が要求される場合は、ET500 を推奨します。

高柔軟性MSポリマー
接合部位に高柔軟性が要求される場合は、高柔軟性MSポリマーが検討対象に入ります。特に透明性が要求される場合は、MS359 CLEAR が、きれいな仕上がりを提供します。

お問い合わせ
具体的なご用途の情報をお聞かせ頂ければ、最適接着剤の絞り込みのお手伝いができますので、お問い合わせください。

耐溶剤性が求められる場合は、以下がご考になるかも知れません:

各種接着剤の耐溶剤性
接着剤の種類 極性溶剤 非極性溶剤
嫌気性接着剤 とても良好 とても良好
 シアノアクリレート接着剤 不向き 良好
1液性エポキシ接着剤 とても良好 極めて良好
2液性エポキシ接着剤 とても良好 とても良好
高柔軟性改良エポキシ接着剤 良好 とても良好
高柔軟性MSポリマー接着剤 良好 使用可能
構造用ポリウレタン接着剤 良好 良好
構造用アクリル接着剤 - 1液タイプ 良好 とても良好
構造用アクリル接着剤 - 2液タイプ 良好 とても良好
構造用アクリル接着剤 - 2液 MMA タイプ 良好 とても良好
UV硬化接着剤 良好 とても良好
各種接着剤の耐熱性
接着剤の種類 標準品 耐熱対策品
嫌気性接着剤 150℃ 230℃
 シアノアクリレート接着剤 85℃ 250℃
1液性エポキシ接着剤 180℃ 300℃
2液性エポキシ接着剤 80℃ 300℃
高柔軟性改良エポキシ接着剤 80℃ ---
高柔軟性MSポリマー接着剤 80℃ ---
構造用ポリウレタン接着剤 120℃ ---
構造用アクリル接着剤 - 1液タイプ 150℃ 200℃
構造用アクリル接着剤 - 2液タイプ 120℃ ---
構造用アクリル接着剤 - 2液 MMA タイプ 150℃ ---
UV硬化接着剤 120℃ 150℃
アクリルの表面処理について
● 表面を洗浄、乾燥させ、汚れを取り除くことで、接着力が向上します。アクリルはそのままでも接着できることが多いです。
● 汚れを拭き取る場合は、接着前に溶剤で拭き取ってください。拭き取りには、イソプロピルアルコール(IPA)か Permabond Cleaner A を推奨します。但し、アセトンを含む多くの有機溶剤は、アクリル表面を攻撃して変性させるので、あまり勧められません。
アクリルの特性
● 表面エネルギー: 38 mJ/m2
● 最大使用温度: 85℃
● 軟化温度: 120℃
● 着色したもの、不透明なもの、透明なもの、メタライズしたものがあります

Back to Top

PETの接着

PET = ポリエチレンテレフタレートは、熱可塑性プラスチックで、リサイクル可能なので、多くの使い捨て容器で使用されています。但し、多くの接着剤では接着できません。Permabondは、前処理不要で接着可能な接着剤を提供しています。

構造用アクリル接着剤 - TA4610
TA4610 は前処理なしでPETの接着が可能です。前処理なしで最大の接着強度を得るには、まずは構造用アクリル接着剤を検討して頂き、TA4610 を基準にして、用途に合わせた硬化時間を選んでください。構造用アクリル接着剤は、極性溶剤への耐性があり、非極性溶剤への耐性が極めて高く、PETの耐熱温度以上での耐熱性があります。

シアノアクリレート接着剤 - Permabond 105 / Permabond 2050
POPプライマを先に塗布した後、Permabond 105 や 2050 を用いると、最大の接着力が得られます。
シアノアクリレートは、硬化時間が短いことから選択されることがよくありますが、これらは極性溶剤への耐性が無いことに留意してください。非極性溶剤への耐性はあります。耐熱性は、PETの温度耐性以上です。

UV硬化接着剤
フレーム、コロナ、プラズマ処理を事前に行えば、PETの接着が可能です。

2液性エポキシ接着剤 - ET515 / MT3809
フレーム、コロナ、プラズマ処理を事前に行えば、ET515MT3809 (高柔軟性) で PET接着が可能です。

お問い合わせ
具体的なご用途の情報をお聞かせ頂ければ、最適接着剤の絞り込みのお手伝いができますので、お問い合わせください。

PETの特性
● 表面エネルギー: 44 mJ/m2
● 最大使用温度: 70℃
● 融点: 250℃

Back to Top

PTFEの接着

PTFE = ポリテトラフルオロエチレンは、テフロンという商標でよく知られているフッ素系プラスチックで、接着が難しい材料としても知られています。高温条件や厳しい薬剤耐性が要求されるところで用いられます。Permabondは、PTFE用の接着剤を提供しています。

構造用アクリル接着剤 - TA4605 / TA4610
Permabondの構造用アクリル接着剤、TA46XX (TA4605TA4610など) を使えば、前処理なしで最大の接着強度が得られます。これらは、特に表面エネルギの低いポリオレフィン類やPTFE向けに開発したものです。TA4610 でラップ剪断強度試験を行うと、PTFEが変形したり破断する程度の接着強度が得られます。


シアノアクリレート接着剤
POPプライマを先に塗布した後、Permabondのシアノアクリレート接着剤を使うと、PTFEの接着が短い硬化時間で可能になります。

お問い合わせ
具体的なご用途の情報をお聞かせ頂ければ、最適接着剤の絞り込みのお手伝いができますので、お問い合わせください。

PTFEの前処理
フルオロカーボンエッチャント(Tetra-Etchなど)を使えば、より大きな接着強度が得られます。コロナ、フレーム、プラスマ処理は、接着力向上の効果が得られません。

PETの特性
● 表面エネルギー: 19 mJ/m2
● 最大使用温度: 260℃
● 融点: 330℃

Back to Top

フェノール樹脂の接着

フェノール樹脂は、紙や繊維にフェノールレジンを染みこませたものを多層に重ね、それを圧力と温度をかけて作った堅くて密度の高い材料です。PCB(プリント回路ボード)が主な用途で、FR-1 や FR-2 でよく知られています。定格温度は、FR-1 が130℃、FR-2が105℃で、双方とも単層基板として利用されます。フェノール樹脂の接着には、様々な方法があり、要求される電気特性や熱特性で異なります。フェノール樹脂は棒やチューブでも使われます。この材料はとても堅いので、木材や柔らかい素材向けの加工機で機械加工されます。
さて、FR-4もよく聞きますが、これはフェノール樹脂ではなく、エポキシ樹脂の複合材で、多層基板に用いられ、現在では最も一般的な基板材料になっています。

耐熱性シアノアクリレート接着剤は、プリント基板 FR-1 や FR-2 の接着に加えて、フリップチップの接着にも使われています。

フェノール樹脂は接着しやすい最良なので、様々な異なった種類の接着剤が使えます。プリント基板を想定すると、接着剤には、接着特性以外に多くの特性を考慮する必要があります;
・電気特性
・熱伝導率
・耐熱性
・非腐食性
・難燃性
など...

ロッドやチューブなどの構造材に対しては、以下の特性も考慮の必要があります;
・耐衝撃性
・耐溶剤性
・耐環境性

シアノアクリレート接着剤
全ての製品が十分な接着強度を提供します。低臭性が重要なら 94x シリーズが推奨できます。高温耐性が重要なら 820 をお使いください。

エポキシ接着剤
1液性も2液性もフェノール樹脂を十分に接着できます。1液性エポキシは加熱硬化が必要なので、接着するフェノール樹脂製品の耐熱性を事前に確認してください。ES478 は難燃性に優れ、断熱性に加えて熱伝導性も高いのが特徴です。

構造用アクリル接着剤
フェノール樹脂の接着性は十分にあります。非腐食性については、メタクリル酸を含まない TA439TA4590 が優れています。TA4392 は難燃性と高い熱伝導性があります。

UV硬化接着剤
フェノール樹脂を十分接着します。但し、UV光が接着面に届く必要があります。透明コーティングや透明ドーム形成には、UV681UV683 が最適です。

お問い合わせ
具体的なご用途の情報をお聞かせ頂ければ、最適接着剤の絞り込みのお手伝いができますので、お問い合わせください。

Back to Top

ポリカーボネートの接着

ポリカーボネート(PC)は、工業製品によく使われる透明プラスチックです。

シアノアクリレート接着剤
シアノアクリレート接着剤は、数秒で硬化することからポリカーボネートの接着によく使われます。接着する2つの部材の間に必要最小限の量の接着剤を使ってください。見た目が重要な場合は、臭いが少なく、曇りの少ないタイプ、Permabond 940 を使ってください。


UV硬化接着剤
ポリカーボネート接着には、UV硬化接着剤も推奨できます。Permabond UV630 や UV640 は、UV感度を高めているので、UV安定化したポリカーボネートにも有効です。

お問い合わせ
具体的なご用途の情報をお聞かせ頂ければ、最適接着剤の絞り込みのお手伝いができますので、お問い合わせください。

ポリカーボネートの表面処理について
● 表面を洗浄、乾燥させ、汚れを取り除くことで、接着力が向上します。ポリカーボネートはそのままでも接着できることが多いです。
● 汚れを拭き取る場合は、接着前に溶剤で拭き取ってください。拭き取りには、イソプロピルアルコール(IPA)か Permabond Cleaner A を推奨します。但し、アセトンは、ポリカーボネート表面を攻撃して変性させるので、あまり勧められません。

ポリカーボネートの特性
● 表面エネルギー: 42 mJ/m2
● 最大使用温度: 115℃
● 軟化点: 147℃

Back to Top

ポリスチレンの接着

ポリスチレンは広く使われている材料です、多くの異なる種類の接着剤が使えます。但し、ポリスチレン自体がもろいので、接着剤の選定、接合部の形状設計、接着剤の硬化工程に留意する必要があります。特にスチレン材料にかかる応力を極力小さくすること、塗布する接着剤を極力必要最小限度にし、スチレン表面に硬化前の接着剤を長時間放置することを避けることが大切です。

UV硬化接着剤
ポリスチレンには、UV硬化接着剤が最適です。Permabond UV630 と UV640 は、硬化後の柔軟性に富んでいるので、接合部に強靱性を付与する効果があり、ポリスチレンの接着に推奨できます。


シアノアクリレート接着剤
シアノアクリレート接着剤は、ポリスチレンの接着に有用です。接合部に必要最小限度の量を濾布し、塗布後は直ちに接着を行うことを勧めます。ポリスチレンは透明なので、接着後の透明度を維持したい場合は、Permabond 940 を推奨します。これは低臭であることも利点になります。

2液性エポキシ接着剤
Permabond ET500
は、透明で黄化(着色)しにくく、エポキシ系としては硬化が速いので、透明なポリスチレン接着に推奨します。

お問い合わせ
具体的なご用途の情報をお聞かせ頂ければ、最適接着剤の絞り込みのお手伝いができますので、お問い合わせください。

ポリスチレンの表面処理について
● ポリスチレンは、表面処理を行わずにそのままでも接着できることが多いです。
● 表面の洗浄が必要な場合は、イソプロピルアルコール(IPA)やその他マイルドな有機溶剤で拭き取りを行います。アセトンのような溶剤ははスチレンの表面を攻撃して変性させるので、勧められません。

ポリスチレンの特性
● 表面エネルギー: 41 mJ/m2
● 最大使用温度: 65℃
● 軟化点: 107℃

Back to Top

ポリウレタンの接着

ポリウレタンは、熱成形や熱硬化処理により、硬質化したり、多孔質のフォーム状にしたり、弾性体にもでき、様々な外観を作れる材料です。様々なな異なる接着剤で十分な接着力は得られますが、多用な特性にあった接着剤の選定が極めて重要になります。

MSポリマー接着剤
柔軟性の高いポリウレタンには、柔軟性の高い MSポリマー接着剤を推奨します。

シアノアクリレート接着剤
シアノアクリレート接着剤は、ポリウレタンでは十分な接着力が得られます。
弾性のあるポリウレタンには、Permabond 2050731 を推奨します。
柔軟性の高いポリウレタンの接着の場合は、一度お問い合わせください。高柔軟性の新しいシアノアクリレート接着剤についてご案内できるかも知れません。
多孔質フォーム状のポリウレタンには、ポリウレタン活性剤、QFS16CSA-NF のご利用を推奨します。



その他接着剤の適用について
2液性エポキシ接着剤、ポリウレタン接着剤、構造用アクリル接着剤、UV硬化接着剤も、接合部の状況、接着工程の要求仕様などに併せた選定が可能です。


お問い合わせ
具体的なご用途の情報をお聞かせ頂ければ、最適接着剤の絞り込みのお手伝いができますので、お問い合わせください。

ポリウレタンの表面処理について
● 表面を洗浄、乾燥させ、汚れを取り除くことで、接着力が向上します。ポリカーボネートはそのままでも接着できることが多いです。
● 有機溶剤での拭き取りが必要な場合は、接着前に接合部を拭き取ってください。拭き取りには、イソプロピルアルコール(IPA)か Permabond Cleaner A を推奨します。アセトンは、ポリウレタン表面を攻撃して変性させるので、勧められません。
● 多孔質ポリウレタンには、適切な粘度の接着剤を選んでください。
● 弾性のあるポリウレタンには、高柔軟性接着剤シアノアクリレート が推奨されます。

Back to Top

PVCの接着

PVC = ポリ塩化ビニル の接着を検討する際には、PVCには様々な異なる性状があることを理解し、おかまに以下のように分類して検討します;
● 可塑化ポリ塩化ビニル: PVC
● 硬質ポリ塩化ビニル: RPVC、U-RPVC (非可塑性PVC)
● "グリーン"ポリ塩化ビニル(低環境負荷ポリ塩化ビニル): GreenPVC

接着力を決める大きなファクターである表面エネルギに着目すると、可塑性ポリ塩化ビニルは 39 mJ/m2 で、硬質ポリ塩化ビニルは 33 mJ/m2 と大きく異なります。"グリーン"ポリ塩化ビニルは比較的新しい配合で、リサイクル可能なように様々に異なる配合で作られ、表面エネルギの低い、接着が比較的難しい材料です。

可塑性ポリ塩化ビニル (PVC) の接着
● 推奨する接着剤は、シアノアクリレート接着剤とUV硬化接着剤です。
● シアノアクリレート接着剤には様々な特性のあるものを用意しており、適切に選定してください。例えば接合面に柔軟性を求める場合は、Permabond 2050731 を推奨します。医療用向けの製品もあります。

● UV硬化接着剤もPVC接着に向いていますが、接合面にUV光が当てられる場合にUV硬化接着剤を選定してください。柔軟性の高い医療用向けの製品もあります。


硬質ポリ塩化ビニル (U-PVC / RPVC) の接着
● U-PVC、RPVC は、シアノアクリレート接着剤UV硬化接着剤 が使えます。
2液性エポキシ接着剤構造用アクリル接着剤 も使えます。

グリーンPVC ("Green" PVC) の接着
シアノアクリレート接着剤、特に接着力の強い Permabond 792 を推奨します。


お問い合わせ
具体的なご用途の情報をお聞かせ頂ければ、最適接着剤の絞り込みのお手伝いができますので、お問い合わせください。

ポリ塩化ビニルの表面処理について
● 表面を洗浄、乾燥させ、汚れを取り除くことで、接着力が向上します。ポリカーボネートはそのままでも接着できることが多いです。
● 有機溶剤での拭き取りが必要な場合は、接着前に接合部を拭き取ってください。拭き取りには、イソプロピルアルコール(IPA)か Permabond Cleaner A を推奨します。アセトンは、ポリウレタン表面を攻撃して変性させるので、勧められません。
● 高強度PVC には、プラスチックから接着剤への成分のマイグレーションによる接着寿命の検討をお勧めします。

Back to Top

ナイロン(ポリアミド)の接着

ナイロン (ポリアミド) には例えば以下のようなものがあります;
● ナイロン6
● ナイロン6,6

一般的にナイロン (ポリアミド) は、接着が難しい素材です。というのも、接着力を決める大きなファクターである表面の濡れ性 (表面自由エネルギ) が低く、疎水性で、化学的反応性が低いからです。


構造用アクリル接着剤
Permabond はこれまでにもナイロンの接着が可能な接着剤 (TA4610, TA4611 など) を開発してきましたが、ナイロン接着には TA4550 を推奨します。TA4550 は、プライマーやプラズマ処理などの前処理が不要です。さらに、硬化後の靭性が高いので衝撃や振動に強く、硬化が速いことも特長として挙げられます。

お問い合わせ
具体的なご用途の情報をお聞かせ頂ければ、最適接着剤の絞り込みのお手伝いができますので、お問い合わせください。

Back to Top

POPプライマについて

POPプライマ
グレード 説 明
POPプライマ
Datasheet
難接着材料 - ポリプロピレン、ポリエチレン、PTFE(フッ素系プラスチック)、シリコーンゴム、天然ゴム、ブチルゴムなど -
を強く接着するためのプライマ

POPプライマは何をするものですか?
POPは PolyolefinPrimer の略で、下記のような材料に対してシアノアクリレート接着剤の接着力を大幅に向上させるプライマです。
● ポリオレフィン類: ポリプロピレン、ポリエチレンなど
● ポリアセタール(POM)類
● シリコーン
● フッ素系ポリマー: PTFE、FEP、PFA、ETFEなど
さらに、シアノアクリレート接着剤による PBT、PMP、PPS、ポリスチレン、ポリウレタンの接着力を向上させる効果もあります。

POPプライが向かない材料はありますか?
● ダップ/DAP樹脂(ジアリルフタレート樹脂)やポリイミド: POPプライマを使うと、かえって接着強度が低下します
● ABS樹脂: POPプライマで接着強度の向上効果が得られません

POPプライマとは何ですか?
POPはプライマ、あるいはプロモータでです。硬化促進剤(アクセラレータ)ではないので、硬化速度の向上効果はなく、木材のような酸性表面のpHを変える効果はありません。

POPプライマでエポキシ接着剤の接着力は向上しますか?
POPプライマは、シアノアクリレート接着剤との併用のみを推奨します。他の種類の接着剤、例えばエポキシ接着剤、UV硬化接着剤、構造用アクリル接着剤では接着力の向上は期待できません。

Back to Top

接着剤の選定ガイド

お使いの装置・機器のメンテナンスマニュアルに特定グレードの指定がある場合
  ● お見積り依頼を頂ければ、最短で対応致します

現在お使いの接着剤の入手性が悪くなった場合
  ● 現在お使いの接着剤のメーカー名、グレード(型式)をお知らせください - データシートがあればとても助かります
  ● 弊社にて、置換え可能なグレードを提案致します。

新たに接着剤を選定する場合
  ● 可能な限り具体的にお聞かせください
  ● 弊社にて、いくつかの候補を提案致します。
  ● 候補をご購入頂き、一度ご評価をお願いしております。
  ● お客様のご用途に最適化するために、カスタマイズ検討のお手伝いも可能です。

<お問い合せ>

Back to Top