ゴム用接着剤

[2024/11/27 更新]

ゴム用接着剤の概要


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一般的ゴム材料の接着                             
● 難接着ゴム材料の接着
  ⇒ EPDMゴムの接着
  ⇒ 天然ゴムの接着
  ⇒ ニトリルゴムの接着
  ⇒ シリコーンゴムの接着
POPプライマについて
※ 難接着ゴム材料の接着は、以下で対応できます。
  ・シアノアクリレート瞬間接着剤とPOPプライマ
  ・構造用アクリル接着剤

一般的なゴム材料の接着

多くのゴム材料には、シアノアクリレート瞬間接着剤 Permabond 105 がよく使われます。
Permabond 105 は、ABS,ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)では、接着力は材料破断よりも強くなっています。
難接着性のプラスチック、天然ゴム、EPDM、ブチルゴムなどの接着には、POPプライマを併用することで、強い接着が可能です。

グレード 主な用途
特徴
粘度
[mPa・s (cP)]
最大隙間
[mm
]
剪断強さ
[N/mm2]
スチールの
接着時間 [秒]
温度範囲 [℃]
105
データシート
難接着性プラスチック向け
(EPDMなど)
30~50 0.10 18~22 10~15 -55 ~ +80
グレード 説 明
POPプライマ
データシート
難接着材料 - ポリプロピレン、ポリエチレン、PTFE(フッ素系プラスチック)、シリコーンゴム、天然ゴム、
ブチルゴムなどを強く接着するためのプライマ

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EPDMゴムの接着

EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)ゴムは合成ゴムの一種で、耐熱性と耐薬品性に優れており、そのため自動車産業などで広く用いられています。EPDMの接着には、シアノアクリレート瞬間接着剤 Permabond 105POP プライマを併用するか、 構造用アクリル接着剤 TA4605TA4610 が用いられます。

シアノアクリレート瞬間接着剤 - Permabond 105 / POPプライマ
グレード 主な用途
特徴
粘度
[mPa・s (cP)]
最大隙間
[mm
]
剪断強さ
[N/mm2]
スチールの
接着時間 [秒]
温度範囲 [℃]
105
データシート
難接着性プラスチック向け
(EPDMなど)
30~50 0.10 18~22 10~15 -55 ~ +80
グレード 説 明
POPプライマ
データシート
難接着材料 - ポリプロピレン、ポリエチレン、PTFE(フッ素系プラスチック)、シリコーンゴム、天然ゴム、
ブチルゴムなどを強く接着するためのプライマ
構造用アクリル接着剤 - TA4605、TA4610 (プライマ不要)
グレード 主な用途
特徴
粘度
[mPa・s (cP)]
固定時間 剪断強さ
[N/mm2]
TA4605
Datasheet
表面処理をしないポリプロピレンやポリエチレン等の接着
含有微粒子により隙間を埋める、2液1:1混合
125,000
混合後
5~10分 5~8
ポリプロピレン
TA4610
データシート
表面処理をしないポリプロピレンやポリエチレン等の接着
含有微粒子により隙間を埋める、2液1:1混合
210,000
混合後
12~15分 5~8
ポリプロピレン
表面処理について
EPDMの表面処理を行うと、接着力が向上します。

● 表面を洗浄、乾燥させ、汚れを取り除きます。EPDMゴムはそのままでも接着しますが、プラズマ処理により表面エネルギーを上げることで接着力は向上します。

● 離型剤がゴム表面に付着している場合、接着前に溶剤で拭き取ってください。拭き取りには、イソプロピルアルコール(IPA)か Permabond Cleaner A を推奨します。アセトンはゴム表面を攻撃して良くありません。

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天然ゴムの接着

天然ゴムは、一般には接着が難しい材料です。先ずは、Permabond 105POPプライマをお試しください。

シアノアクリレート瞬間接着剤 - Permabond 105 / POPプライマ
グレード 主な用途
特徴
粘度
[mPa・s (cP)]
最大隙間
[mm
]
剪断強さ
[N/mm2]
スチールの
接着時間 [秒]
温度範囲 [℃]
105
データシート
難接着性プラスチック向け
(EPDMなど)
30~50 0.10 18~22 10~15 -55 ~ +80
グレード 説 明
POPプライマ
データシート
難接着材料 - ポリプロピレン、ポリエチレン、PTFE(フッ素系プラスチック)、シリコーンゴム、天然ゴム、
ブチルゴムなどを強く接着するためのプライマ
構造用アクリル接着剤 - TA4605、TA4610 (プライマ不要)
グレード 主な用途
特徴
粘度
[mPa・s (cP)]
固定時間 剪断強さ
[N/mm2]
TA4605
Datasheet
表面処理をしないポリプロピレンやポリエチレン等の接着
含有微粒子により隙間を埋める、2液1:1混合
125,000
混合後
5~10分 5~8
ポリプロピレン
TA4610
データシート
表面処理をしないポリプロピレンやポリエチレン等の接着
含有微粒子により隙間を埋める、2液1:1混合
210,000
混合後
12~15分 5~8
ポリプロピレン

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ニトリルゴムの接着

ニトリルゴムは、NBR や XNBR とも呼ばれる合成ゴムの一種で、他のゴムに比べて柔軟性が高く、広い用途で使われています。ニトリルゴムは表面エネルギーが低いだけでなく表面の粘着性が低いので、接着力を得るための表面処理 - コロナ放電、火炎処理、酸によるエッチングなどの効果が得にくいゴム材料です。

パーマボンド のシアノアクリレート瞬間接着剤殆どのグレードは、ニトリルゴムの接着に使え、一般的にゴムの破断力よりも強い接着力が得られます。特に柔軟性が必要な場合は、Permabond 731、735、737、2050 を推奨します。POPプライマによる接着力向上は、はニトリルゴムには大きな効果ががありません。
シアノアクリレート瞬間接着剤

接着剤塗布と工程までの時間を長くしたい場合、あるいはシアノアクリレート接着剤よりも極性溶剤への耐性を上げたい場合は、パーマボンド製の構造用アクリル接着剤 TA4605TA4610 が適しています。

シアノアクリレート用瞬間接着剤 - Permabond 731, 735, 737, 2050
グレード 主な用途
特徴
粘度
[mPa・s (cP)]
最大隙間
[mm
]
剪断強さ
[N/mm2]
スチールの
接着時間 [秒]
温度範囲 [℃]
731
Datasheet
強力な接着力 100~200 0.15 24~30 30~50 -55 ~ +120
735
Datasheet
強力な接着力
黒色
100~200 0.15 24~30 30~50 -55 ~ +120
737
データシート
強力な接着力
大きな隙間に対応
2,000~4,000 0.5 19~23 25~30 -55 ~ +120
2050
データシート
 
高速硬化 1,200~1,800 0.20 16~20 10~15 -55 ~ +80
構造用アクリル接着剤 - TA4605、TA4610
TA4605
Datasheet
表面処理をしないポリプロピレンやポリエチレンなどの接着
2液1:1混合
125,000
混合後
5~10分 5~8
ポリプロピレン
TA4610
データシート
表面処理をしないポリプロピレンやポリエチレンなどの接着
2液1:1混合
210,000
混合後
12~15分 5~8
ポリプロピレン

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シリコーンゴムの接着

シリコーンゴムは、ゴムのような性質を持つが熱硬化性ではなく熱可塑性のエラストマーで、高い耐熱性を有します。シリコーンゴムは接着が難しい材料で、接着できるのはシリコーンベースの接着剤かシアノアクリレート瞬間接着剤(パーマボンドのPOPプライマを併用)に限られます。
シアノアクリレート瞬間接着剤

POPプライマ
グレード 説 明
POPプライマ
データシート
難接着材料 - ポリプロピレン、ポリエチレン、PTFE(フッ素系プラスチック)、シリコーンゴム、天然ゴム、
ブチルゴムなどを強く接着するためのプライマ
シリコーンゴムの接着方法
>> 離型剤をイソプロピルアルコールで拭き取る
>> 接着する一方にPOPプライマを塗り、乾燥させる
>> POPプライマを塗っていない方ににパーマボンド製シアノアクリレート瞬間接着剤を塗って接着する

接合部の隙間が少ない場合は、Permabond 105 が理想的ですが、さらに接合部の柔軟性が必要な場合は Permabond 2050 を推奨します。

シアノアクリレート瞬間接着剤 - Permabond 105
グレード 主な用途
特徴
粘度
[mPa・s (cP)]
最大隙間
[mm
]
剪断強さ
[N/mm2]
スチールの
接着時間 [秒]
温度範囲 [℃]
105
データシート
難接着性プラスチック向け
(EPDMなど)
30~50 0.10 18~22 10~15 -55 ~ +80
2050
データシート
 
高速硬化 1,200~1,800 0.20 16~20 10~15 -55 ~ +80

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POPプライマについて

POPプライマ
グレード 説 明
POPプライマ
データシート
難接着材料 - ポリプロピレン、ポリエチレン、PTFE(フッ素系プラスチック)、シリコーンゴム、天然ゴム、
ブチルゴムなどを強く接着するためのプライマ

POPプライマは何をするものですか?
POPは PolyolefinPrimer の略で、下記のような材料に対してシアノアクリレート接着剤の接着力を大幅に向上させるプライマです。
● ポリオレフィン類: ポリプロピレン、ポリエチレンなど
● ポリアセタール(POM)類
● シリコーン
● フッ素系ポリマー: PTFE、FEP、PFA、ETFEなど
さらに、シアノアクリレート接着剤による PBT、PMP、PPS、ポリスチレン、ポリウレタンの接着力を向上させる効果もあります。

POPプライが向かない材料はありますか?
● ダップ/DAP樹脂(ジアリルフタレート樹脂)やポリイミド: POPプライマを使うと、かえって接着強度が低下します
● ABS樹脂: POPプライマで接着強度の向上効果が得られません

POPプライマとは何ですか?
POPはプライマ、あるいはプロモータでです。硬化促進剤(アクセラレータ)ではないので、硬化速度の向上効果はなく、木材のような酸性表面のpHを変える効果はありません。

POPプライマでエポキシ接着剤の接着力は向上しますか?
POPプライマは、シアノアクリレート接着剤との併用のみを推奨します。他の種類の接着剤、例えばエポキシ接着剤、UV硬化接着剤、構造用アクリル接着剤では接着力の向上は期待できません。

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接着剤の選定ガイド

お使いの装置・機器のメンテナンスマニュアルに特定グレードの指定がある場合
  ● お見積り依頼を頂ければ、最短で対応致します

現在お使いの接着剤の入手性が悪くなった場合
  ● 現在お使いの接着剤のメーカー名、グレード(型式)をお知らせください - データシートがあればとても助かります
  ● 弊社にて、置換え可能なグレードを提案致します。

新たに接着剤を選定する場合
  ● 可能な限り具体的にお聞かせください
  ● 弊社にて、いくつかの候補を提案致します。
  ● 候補をご購入頂き、一度ご評価をお願いしております。
  ● お客様のご用途に最適化するために、カスタマイズ検討のお手伝いも可能です。

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