赤外線カメラの検知距離 ~ 赤外線カメラはどこまで遠くが見えるのか?


長距離監視用で赤外線カメラの利用を検討する際、どのくらい遠くまで見えるのかは、重要な評価ポイントになります。この疑問に定量
的に答えるには、「見える」と言うことは、どういうことか?その定義が必要でしょう。
例えば、熱源の存在さえ確認できれば良いのか、つまり人と言う36℃程度の熱源検知で良いのか?或いはその人らしき物体が、どの
ような形状で、どのような動きをしているかを「認識」あるいは「識別」する方法があります。ここでイメージセンサの少ないピクセルで検出
する場合は、熱源の存在しかわかりません。形や動きを知るためには、所定の数以上のピクセルに結像させる必要があります。

軍事分野では敵味方の識別はきわめて重要な問題で、FLIR Systemでは、そこで定義されたものを使用しています。

IR Images


FLIR Systemsの赤外線カメラでの検出距離は、「検知」、「認識」、「識別」の3段階で定義します。
検知 (Detection)     対象の存在の有無を「検知(Detection」と言い、センサ上の像の大きさが1.5ピクセル以上である時が条件です。
認識 (Recognition)    認識(Recognition):対象の「認識」とは対象物がどのような種類のものであるかが見えること。つまり、人間、
    乗用車、トラック、何かほかのものかを区別できることです。対象をしきべつするには、センサ上の像が少なくとも6ピクセルの範囲
    に入るものと規定します。
識別 (Identificaiton)    軍事用語で敵味方の識別と言う意味を持ちます。識別を行うには対象物が少なくとも12ピクセルの範囲に入
    るものと規定します。

実際には、環境条件、背景(熱い砂漠か冷たい雪か)、大気条件(快晴か霧か)などにも依存します。特に感度が大きく鮮明な画像を得
られる冷却タイプの赤外線センサでは、これらの実際の条件を柔軟に吸収して対応できます。

製造メーカー

FLIR System Inc.

赤外線カメラやサーモグラフィのトップメーカー FLIR Systemsは先進的な赤外線イメージング製品、コア製品、その他各種周辺機器を数多く供給
している世界のトップメーカーです。防衛、監視、セキュリティー、ガス検知、各種検査など様々な
用途で使われています。近赤外(0.9~1.7μm)、中赤外(3~5μm)、長赤外(8~14μm)をカバーした
カメラシステム、カメラコアモジュールに加えて、高機能パン・チルトユニット(雲台)、レーザポインタ、
レーザ距離計、赤外線やX線イメージセンサ用の読み出しIC(ROIC)なども供給しています。

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